文系出身、機械職公務員のカルガモさんです。上下水道勤務の身として、初めにこれをやるべきでした。上水道のはなし・下水道のはなしの前提知識として、そもそも上水道と下水道は何が違うのか、というところから書いてみようと思います。
普段、なんとなく「水道」とひとまとめに呼んでいますが、実はこの2つ、役割がまったく違います。
◯ 上水道は、「これから飲む水」
上水道は、川や地下水などの水源から取った水を、浄水場できれいにして、各家庭や施設まで届ける仕組みです。蛇口をひねって出てくる水は、基本的にすべて上水にあたります。
上水の作り方は、急速濾過、緩速濾過、膜濾過など、濾過を行なって綺麗にします。家庭用の浄水器は、この中だと膜濾過に近いかな。浄水場で使われる中空糸膜と同じ仕組みのものが、家庭用浄水器の中にも入っていることが多いので、原理としては仲間と言えそうです。他にはこの前の記事の塩素消毒のみ、つまり次亜塩素酸ナトリウムを加えるだけということもあります。
ちなみに、ゆっくり時間をかけて作る分、緩速濾過の水の方が美味しいと言われます。
◯ 下水道は、「使い終わった水」
一方の下水道は、家庭や工場で使い終わった水や、雨水を集めて、川や海に戻す仕組みです。お風呂やトイレ、台所の排水口から流れていった水の行き先、というイメージです。
ここで一つ、勘違いされやすいポイントがあります。「下水道に入る水は、全部処理場できれいにしてから流されている」と思われがちなんですが、実はそうとも限りません。現在のメインは、汚水と雨水を別々の管で流す「分流式」が採用されていて、この場合、雨水は処理場を通らず、そのまま川に放流されます。
反面、東京都など下水道の整備が早かった都市は「合流式」が多く採用されていて、これは汚水と雨水が同じ管を流れます。雨が多く降ると、処理しきれなかった越流水を公共用水域に流す方式でもあるため、東京湾が臭いとか、ニュースで聞きますよね。これは元々がそういう仕組みなのです。
これは、街が浸水するのを防ぐための、いわば安全弁のような仕組みでもあります。処理場や下水道管がパンクして、汚水が街に溢れ出すことを防ぐ、という設計思想です。
◯ まとめ
上水道は「これから飲む水」、下水道は「使い終わった水」。今回はそのシンプルな違いだけ、書いてみました。
次回以降、上水道のはなし・下水道のはなし、それぞれもう少し具体的な話も書いていこうと思います。